国立大学と私立大学の違いって?学費や就職などで比較

「国立大学」や「私立大学」という言葉は、全ての受験生が一度は耳にしたことがあるでしょう。国立大学と私立大学では受験科目や受験スケジュールも異なりますが、受験のことだけでなく、それぞれの大学でどのような大学生活を送ることができるのかという点も重視して大学を選びたいものです。では、国立大学と私立大学には、一体どのような違いがあるのでしょうか。

京都大学


国立大学と私立大学との違いは?

国立大学とは、「国立大学法人」が設置して運営している大学のことです。2004年度に国立大学の法人化が施行される前は、国が設置・運営を担っていました。また、公立大学はかつて地方公共団体によって設立する大学を指しており、こちらも現在は「公立大学法人」が設立と運営を担っています。

一方、私立大学とは、「学校を作って人材を育成したい」という思いを持つ個人や会社が作った「学校法人」が設立して運営している大学のことを指しています。

データから見る国立大学、私立大学の現状について

国立大学

2018年現在、日本には86の国立大学が存在しており、各都道府県に少なくとも1つは設置されています。学士課程で学んでいる学生は圧倒的に私立大学の方が多いのですが、修士課程や博士課程といった大学院で学んでいる学生は、6割以上が国立大学に通っています。

国立大学は歴史が長い学校も多く、数多くの研究実績があること、学費が安いこと、地域に1つはあるため、地元志向の学生が通いやすいことなどがら、根強い人気を誇っています。しかし、少子化の影響による受験者数の減少から、学士課程の定員を減らしている大学も多いため、受験を突破するには相応の努力が必要になります。

私立大学

私立大学は全国に600校以上設置されています。1991年の規制緩和以降は徐々に学校数が増え続けており、ここ10年間でもその傾向は大きく変わりません。また、大学進学率が高まる一方、国公立大学の定員数は多くないため、私立大学という選択をする学生も少なくありません。

しかし、新しい学校ができる一方で、学生数の減少による経営難からなくなってしまう私立大学もあります。また、志願者数に対して入学者数が著しく少ない場合は、大学が助成金を受け取ることができなくなるため、特に大都市圏の私立大学では合格者数を大幅に減らすなどの対策が取られることも珍しくなくなってきました。都心部や人気の高い大学・学部に進学する際には、このような点にも注意したいですね。


国立大学に通うメリット・魅力

その1「学費が安い」

国立大学に通う大きなメリットとして、学費の安さが挙げられます。現在、国立大学の入学料は約28万円、年間の授業料は約54万円となっており、施設設備費は基本的にはかかりません。一方、私立大学の場合、文系の場合は国立大学より年間の授業料が20万円ほど高くなる程度ですが、理系の場合は約2倍に、医歯薬系の場合は約5倍と非常に負担が大きくなります。国立大学はこれらの学部も一律の学費ですので、安心して通うことができますね。

ただし、国立大学の学費は不変というわけではありません。今後値上がりする可能性もあるので、動向に注意しましょう。

その2「教育が手厚く、レベルが高い」

国立大学は、一般的に私立大学よりも学生数が少ないため、教員1人当たりの学生数が私立大学よりも少ないというメリットがあります。具体的には、私立大学では教員1人が指導しなければならない学生数が19.9人であるのに対し、国立大学では教員1人当たり9.4人の学生を教育できる体制となっています。そのため、国立大学では教員と密接に関わることができるのです。

また、世界大学ランキング日本版でも、上位20大学のうち15大学は国立大学となっています。国立大学は、全体的に教育レベルが高いと言えるでしょう。

その3「設備が整っている」

国立大学は設備が整っている学校が多いということも、国立大学の特徴の1つです。これはひとえにお金があるから。学術的な競争力が強い大学では、運営交付金も多く支給されますし、あらゆる学術研究の発展を目的として支給される科学研究費補助金の約6割は国立大学に支給されています。

このように、十分な資金を持っている国立大学には、高価な研究設備も充実しているところが多くあります。特に理系の学生には嬉しいポイントですね。また、大学図書館の蔵書も多いため、文系の学生もしっかりと学問に取り組むことができるでしょう。

ただし、学術的な競争力が弱い大学では、最先端・高価な研究設備は望めないかもしれません。大学の財務状況をチェックしたり、実際にオープンキャンパスに行ってみたりするなど、事前確認が必要でしょう。

私立大学に通うメリット・魅力

その1「学生数が多い」

私立大学は、一般的に国立大学よりも学生数が多いため、部活動やサークル活動、文化祭など、学生による活動がさかんに行われています。また、部活動やサークルは数も多いので、好きなものを選びやすいというメリットもあります。

学生数が多いため、講義や実習だけでなく、部活動やサークル活動といった大学内での活動を通して、多くの人と知り合うことができます。大学内だけでもさまざまな人と知り合い、人間関係を広げることができるという点は非常に魅力的ですね。

その2「キャンパスや大学の設備が魅力的」

私立大学は国立大学よりも経営が厳しいところが多く、学生を呼び込むためにさまざまな経営戦略を立てている学校が少なくありません。その戦略の1つが、キャンパスや大学の設備を学生にとって魅力的なものにすることです。

例えば、立地が良いと遠方からの学生も通いやすいですし、アルバイトなどのプライベートでの活動も充実するでしょう。また、講義棟がきれいだったり、学食や売店が充実していたりすると、学内での生活も満足のいくものになりますね。このように、多くの私立大学では学生が快適に大学生活を送ることができるよう、立地や設備に気を配っているのです。

その3「就職サポートが手厚い」

大学を卒業すると、就職か大学院への進学かを選ぶことになりますね。国立大学は研究機関としての側面が強いため、就職支援課があったとしても、手厚い就職サポートはそれほど期待できないと言ってよいでしょう。

一方、私立大学は「就職率の高さ」という強みを作るためにも、就職支援に力を入れているところが多くあります。そのため、国立大学よりも丁寧な就職支援が期待できるのです。特に大学院への進学をせず、学部卒で就職を考えている人には嬉しいポイントですね。卒業した大学名だけでは就職に成功できない時代ですので、丁寧な就職サポートが欲しいという人は、卒業生の進路や就職先などを見ながら検討してみましょう。

さいごに

国立大学にも私立大学にも、それぞれに魅力的なメリットがあります。受験科目の数や入試の偏差値など、受験の際のメリット・デメリットだけに目を向けず、実際に通学することを考えて大学を選びたいですね。


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