広島市立大学の評判・口コミ【芸術学部編】

広島市立大学の特徴

芸術・情報科学・国際の3つの学部があり、１年目は特にそれぞれの分野に関わる講義を受けることができます。例えば芸術分野からは油絵入門・日本画入門等、情報分野からは基礎の数学や化学、国際分野からは広島や平和について、といったような具合です。私は芸術を専門とした勉強をすることを目的としていましたが、最初に情報科学・国際についても勉強できた事で視野が広がり、自分が今情報社会・国際化社会に生きているということについて考えを深めることができたように思います。

満足していること：授業

この大学の油絵専攻は、全国的にもめずらしく「写実絵画」に力を入れていることが特徴です。入学時の試験でも十分なデッサン力が要求されますが、入学した後も基本的なデッサンの講義等を通じて高レベルな絵画技術を身に付けることができました。また、油絵の古典技法から現代アート的な表現方法まで幅広く学べる実技実習や、イタリアで直に西洋絵画の歴史を辿る古美術研究旅行なども、この大学ならではのカリキュラムです。芸術史における自分の立ち位置を意識しながら制作に打ち込むことができたことは、かけがえのない経験となりました。

満足していること②：部活動

４年間ワンダーフォーゲル部に所属し、広島の里山や日本アルプスの山々への登山をしていました。私は風景を絵にしたいという目的での入部でスポーツは苦手だったのですが、次第に登山の魅力にとりつかれ、今では生涯通じての趣味にしたい程になりました。3つの学部から4学年、様々なタイプの学生が集まるのも面白いところです。OBOGとの繋がりも深く、また中国四国地方のワンダーフォーゲル部との交流も盛んでした。チームワーク・リーダーシップなど様々な力を身に付けると同時に友人も沢山作る事ができた、私の大学生活に欠かせない場所でした。

不満に感じていること：キャンパスの立地

山の上にある大学のため、通学手段が限られていたことです。基本的にはバスでの通学になり、アストラムラインという電車の最寄駅からは20分以上坂道を歩いて登るようになります。そのため、学生の殆どが原付やバイクの免許を取り、それで通学していました。また広島市街地と比べ標高が高い為、冬場は雪が結構積もります。その影響でバスやＪＲが止まってしまうこともしばしばですが、アストラムラインが運行している限り休講にはならないため何とかして大学に向かう必要があります。周辺は坂道ばかりでバイクのスリップ等の事故も絶えませんでした。

不満に感じていること②：ゼミ・研究室

芸術学部の油絵専攻では、ゼミ･研究室はあまり稼動していなかったように思います。大学院に進学してからそれぞれの先生につくイメージです。芸術系は全体的に言えることかと思いますが、基本的に講義以外では自分から動き出さない限り、発展はありません。学生同士での意見交換、展覧会の計画、プロジェクトへの参加、教授への指導のお願い等、自分でももっと動いておけばよかったと思うことも少なくありません。もちろん裏返せば全ての時間を自分の制作に当てることが可能ということになるのですが、入学する前に覚悟しておいてほしいことの一つです。

広島市立大学のおすすめ学部：芸術学部

油絵、日本画、彫刻専攻のある美術学科と、デザイン学科の二つがあり、デザインはさらに視覚・染織・漆等様々な分野に分かれます。まだ20数年と若い大学で、最近施設設備が新しく綺麗になったところもあり、充実した環境の中で様々な分野に挑戦できるところが魅力です。

広島市立大学に通って良かった？

まず、学びたい事がしっかり学べたということが大きな理由です。写実的な絵画を学ぶには最高の環境で、カリキュラムを通じて確実な描写力・表現力を身に付けることができたという実感がもてました。次に大きな理由は、「出会い」です。同じ写実絵画を学ぶ人との出会い、登山との出会い、生涯の友人との出会い…どの大学でも言える事かもしれませんが、ここでしか得られない沢山のものを得られたと思います。特に芸術系は、こういった繋がりが作家活動を続けていくうえで重要になるため、通って良かったと思います。