東京藝術大学の評判・口コミ【美術学部編】

志望理由

小さい頃から絵や工作が好きでしたが、専門的に勉強して作家になれるほど才能はないと思ったので、美術イベントや美術を盛り上げる仕事ができるようになりたいと思い受験しました。美術系大学の最高峰と言われる東京芸大で、専門科目でなく様々な表現や作家性に出会える場であり、他の美大の類似学科よりも将来性や現場での面白さが高いと思い選びました。また技法を問わない現代美術作家の教授に加え、アートイベントを主として活動している教授もおり、大学在学中・また後の自分の選択の幅が広い場であるとも思いました。

大学で勉強していること

演劇や哲学・文学にも及ぶ現代美術の幅広い教授の講義を受け、選択科目では美術史や展示演習などアカデミックや実践的なことも学びました。他にも教職課程や専門技術の集中講義など選択の自由度が高く、私はゼミでアートイベントのマネジメントや運営を研究をしていました。アートイベントには普段美術に関わることが少ない方も参加されるので、よりわかりやすい説明や展示、親しみやすいイベント内容や長期的な運営を組み立てる必要があり、様々な場面で参加をしながら実践的にイベントづくりを学びました。

満足していること：在学生・卒業生の個性が広い

同じ科目の学生でも多様な価値観と作家性があり、他専門科目の学生とも刺激を受け合うことができます。また学生同士の立ち上げたイベントや企画が学内で承認されやすかったり、学外でもすぐに展示やイベント開催の機会が得られることが作家の卵としてはもっともありがたいことだと思いました。各科目の学生それぞれが高い専門性と技術・知識を持っており、学内の施設も水準が高く、普段学んでいる中でも様々な視点を得ることができます。また教授陣・OB、OG含めプロの作家ともすぐにつながりを持つことができるので、意欲さえあれば在学中にでも作家として本格的に活動を始められます。

不満に感じていること：教授陣内のつながりが薄い

学生同士の切磋琢磨はもちろんあり、意欲次第でどんどん技術と知識をつけていくことができます。しかし、美術を教える立場の教授陣内でのつながりが薄いため、長期的に密着した指導をしてもらう機会がほとんどないように感じます。機材を１つ扱えるようになるにも多くの練習や工夫が必要で、それを思い描く作品のためにどう使うともっとも効果的かというのは熟練したプロの知識やアドバイスを借りるのが一番の近道です。未熟な学生たちが自分の力だけで完成度の高い作品を作り、プレゼンテーションをできるようになるのは、とても難しいことのように思えます。

東京藝術大学のおすすめ学部：工芸科

工芸科はとても幅広く、2年次からの専攻で漆や染色、陶芸など様々な専門性の高い技術を学ぶことができます。工芸家になる強みは、工芸品はとても市場価値があるということです。漆芸品や陶芸品は、一般の人でも普段から使う安価なものから、博物館に収容されるような大変高価で美術的価値の高いものまであります。生活に根ざしたものを作る技術は、作家になる以外にもたくさんの就職の幅を広げることができます。デザイン科も就職にはとても有利ですが、物作りが好きな人にとって自分の作ったもので食べていけるというのはとても魅力的です。

東京藝術大学に通って良かった？

大学在学中は、自分のやりたいことややるべきことを見失ったり、作品をうまく作れなくなったりと大変な思いばかりしていたような気もします。しかし、卒業して自分で仕事をするようになって、次第に大学で身につけた経験や人とのつながりが自分の仕事や目標のなかで大きな助けになるようになってきました。様々な個性の同級生が多様な作品や活動を行なっているのを見ると励まされますし、自分の仕事で何か新しいアイデアが浮かんだ時に、もっとも適している人材が身近な知り合いにいることが多いです。