東北芸術工科大学の評判・口コミ【芸術学部編】

東北芸術工科大学の特徴

山形市に位置し、単なる美大の枠に留まらず、学芸分野を専門に学ぶ芸術学部とデザインや企画を専門に学ぶデザイン工学部に分かれているのが特徴です。また、外見的な特徴としては、大きな池の上に建つ三角形の本棟が挙げられます。芸術学部には絵や彫刻を学ぶ美術科だけではなく、文章の書き方を専門に研究する文芸学科や生活文化史を研究する歴史遺産学科といった学科も存在し、美術の枠に留まらない様々な学芸を修めることができます。また、デザイン工学部にはプロダクトデザイン学科やグラフィックデザイン学科、企画構想学科や映像学科などが存在し、建物・商品・映像・イベントなど分野ごとに企画の立て方を身に付けることができます。

満足していること：ゼミ・研究室

ゼミで扱う研究内容は担当の教授ごとに異なりますが、特に私の所属した文芸学科ではその傾向が強く、教授によってゼミの流れや講評の方向性なども全く違います。私の所属したゼミの担当は学科の中では一番若い教授で、普段からアニメや漫画などをたくさん見ている方でした。そのためゼミも厳しい雰囲気での駄目出しというよりは、和やかにアニメや漫画の話を交えつつの講評がメインで、気負わずゼミに参加できました。学生の制作作品もいわゆるライトノベル系の小説が多く、その道を専門に研究している教授からのアドバイスは大変参考になりました。

満足していること②：授業

地方の芸術大学ということで、言葉を飾らずに言うと、偏差値はそれほど高くありません。むしろ、いわゆるFランクと呼ばれるほど必要な学力は低く、どちらかというと希望する学科によって画力や企画力・発想力など、一芸に秀でている方が入学が容易な大学です。入学後もそれ以上の学力を求められることは少なく、必修科目は分野を問わず、「○○基礎」「○○概論」等の入門的なことを扱った講義がほとんどでした。そのため、専門で学ぶほどではないが気になっているような分野に関して、とりあえず知識をつけたい、という場合に大変ありがたかったです。授業にきちんと出席して話を聞き、課題を忘れず提出すれば単位がもらえるため、興味本位で講義を取って期末に焦るようなことがなかったのも助かりました。

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不満に感じていること：キャンパスの環境

比較的新しい大学ということもあり、事務手続きの面などで不便に感じることが多かったです。特に教学事務室の対応は基本的にひどく、職員が必要な手順などを把握していないことも多かったです。大学が直接関わっている指定パソコンの修理などには迅速に対応してもらえたのですが、定期券や奨学金の手続きなどで訪れると窓口の向こうでたらいまわしにされることもありました。また、必修の講義を上限人数の少ない抽選制にする・頻繁にカリキュラムを変えるなど、4年間の在学中の計画が崩れかねないカリキュラム編成にも不満が残ります。

不満に感じていること②：キャンパスの立地

山形市内の大学なのですが、山形駅から少し離れたところに存在し、学校付近に住んでいる学生以外はバスなどを利用する必要があります。学校でスクールバスは出しているのですが、授業の開始・終了の時間とバスの発着時間が少しずれており、微妙に待ち時間が発生する・あるいはギリギリの到着になるなど、不便に感じることが多かったです。隣の宮城県に住んでいてそこから毎日通学している学生も多く、仙台駅からは大学直通の高速バス（公共交通機関のもの）も出ているのですが、本数が少なく利用者が多いため、満席で乗れないこともありました。また、一般の方がそちらのバスに乗れずに大学に苦情を寄越すことも多いです。

東北芸術工科大学のおすすめ学部：企画構想学科、プロダクトデザイン学科など

描画方法や制作技術といった、自分の内面を表現するスキルを磨く芸術学部と比較して、デザイン工学部は全体的に実践に即した授業・演習が多いです。中でも企画構想学科は地域を盛り上げるプロジェクトの企画や、プロダクトデザイン学科は実用的な商品の企画なども演習で経験するため、就活などでも積極的にアピールできる上、卒業後も役に立つスキルが得られるのではないかと思います。

東北芸術工科大学に通って良かった？

私は元々趣味で小説を書いており、文章表現を深く学びたいという気持ちがあったため母校への進学を決めました。しかし、入学後の学科の演習などにはネットで調べれば分かるような基本的な内容も多く、徐々に「これはわざわざ大学で学ぶようなことだろうか？」という気持ちが強くなりました。制作した小説の講評会など、芸術大学ならではの演習もありましたが、周りの学生の作品レベルもネットで親しくしている創作仲間のものより低く、あまり有益だとは感じられませんでした。芸術大学で「小説の書き方」を学ぶよりは、普通の文学部に進学して高校時代から好きだった古典や世界史について研究する方が小説の内容を深めるのにも役立ったのではないか、と考えています。